空港の展望デッキにいると、いろいろな飛行機が目の前を通っていきます。エンジンを2つ付けた大きな機体、胴体の細い機体、プロペラを回して飛ぶ小さな機体。尾翼のマークで航空会社はわかっても、機種の名前まではなかなかわかりません。
わかりにくいのは、よく似た機体が多いからです。737 MAXは、737にエンジンや翼の先などの新しい部品を入れた型です。A320neoも、A320にシャークレットや新しいエンジンを入れた型です。どちらも、新しい型と古い型で全体の形はよく似ています。
メーカーが違っても似ている組があります。JALでは、それまで主力だった777の後をA350が継いでいます。どちらも長い距離を飛ぶ、エンジン2基の大型機です。
それでも、見るところを知っていれば区別はつきます。操縦室の窓のまわりの色や枚数、機首の形、翼の先、エンジンの位置や後ろの縁、タイヤの数。大型機から中型機、小型機、地方の路線を飛ぶリージョナルジェット、プロペラ機まで、日本の空港で見かける機体を大きさで分け、まぎらわしい組み合わせを写真で並べました。
2026年10月時点の情報です。違いはメーカーや航空会社の資料、航空の報道で確かめ、写真はすべて運営者が撮りました。
機体の分け方と見るところ
機体の大きさは、JALの分け方に合わせて分けました。2017年にJALの社長の話を伝えた航空の報道では、JALの大型機は777(2019年度からA350へ置き換え)、中型機は767と787、小型機は737と書かれています。これに、地方の路線を受け持つリージョナルジェットと、プロペラ機を加えました。
大きさの違いは、客室の通路の数にも表れます。大型機と中型機は、通路が2本あるワイドボディ機。小型機の737とA320は、通路が1本のナローボディ機です。リージョナルジェットのE170やCRJ700も、座席は2列+2列で、通路は1本です。

カテゴリーと組み合わせ、まず見るところをまとめると、下の表のようになります。
| カテゴリー | 組み合わせ | まず見るところ |
|---|---|---|
| 大型機 | ボーイング787とエアバスA350(787は中型機) | 操縦室の窓のまわりの色、翼の先 |
| ボーイング777とエアバスA350-900 | 主脚のタイヤの数、操縦室の窓のまわりの色 | |
| 中型機 | ボーイング767と787 | 操縦室の窓の数、翼の先 |
| 小型機 | 737-800と737 MAX | 翼の先、エンジンの後ろの縁 |
| 737とA320 | 機首の形、翼の先 | |
| A320ceoとA320neo | 見た目だけでは決めにくい。便名か機体記号で確かめる | |
| リージョナルジェット | エンブラエル170・175と190 | 胴体の長さ(窓の列の長さ) |
| CRJ700とエンブラエル170 | エンジンの位置 | |
| プロペラ機 | ATR42-600とATR72-600 | 胴体の長さ(窓の列の長さ) |
| Q400とATR72-600 | 主脚の位置 |

展望デッキから見て、機体が正面を向いていれば機首から見ます。横を向いていれば、機首の形と翼の先、主脚です。上の図は、それぞれの場所が機体のどこにあるかを示しています。
※塗装や改修は航空会社ごとに違います。1か所で決めず、2か所以上で合っているかを見てください。
大型機
長い距離の国際線などで使われる、いちばん大きなグループです。JALでは777の後をA350が継いでいて、どちらも大型機です。787とA350の組は、787が中型機なのでカテゴリーをまたぎますが、A350が出てくる2つの組をまとめて読めるよう、ここに置きました。
ボーイング787とエアバスA350
JALの分け方では、787は中型機、A350は大型機です。カテゴリーはまたぎますが、どちらもエンジン2基の双発機で、遠目にはよく似ています。正面か斜め前から見えるなら、まず操縦室の窓を見ます。
黒い窓まわり
A350は、操縦室の窓のまわりが黒く塗られていて、マスクをかけたような顔に見えます。A350を飛ばしているヴァージン アトランティック航空の説明では、曲面の窓ガラスは機首の空気の流れを整えるためのもので、黒い部分は整備と窓まわりの温度管理のためです。
下の写真は、正面から撮ったJALの787(左)とA350-900(右)の機首です。787のほうは窓のまわりに黒い縁取りがなく、胴体と同じ白のままです。

ウイングレット
A350の翼の先は、上向きに曲がっています。この上向きの部分がウイングレットで、翼の先にできる空気の渦を減らす部品です。エアバスは、ウイングレット型の装置をA350にも採用しました。
787の翼には、上に立ち上がるウイングレットがありません。羽田で正面から撮ったJALの787の写真でも、翼の先はそのまま終わっています。


シェブロン
787のエンジンの後ろの縁には、シェブロンと呼ばれるノコギリの歯のようなギザギザがあります。NASAは、これをエンジンの騒音を減らす形として紹介しています。ボーイングの数字では、787はシェブロン付きのエンジンで、騒音の届く範囲が69%小さくなりました。
下はANAの787のエンジンを横から撮った写真で、左側が後ろの縁です。

タイヤの数
主脚のタイヤは、787もA350-900も片側4輪で、ここでは区別がつきません。タイヤの数が役に立つのは、あとで出てくる777と比べるときです。
ボーイング777とエアバスA350-900
長距離の国際線で使われる、大型の双発機どうしです。JALは2019年から、それまで主力の大型機だった777をA350に置き換えてきました(2021年の報道時点)。
主脚のタイヤ
まず見たいのは主脚のタイヤです。777の主脚は片側6輪、左右で12輪あり、機体の重さを滑走路や誘導路に分散させる形になっています。A350-900は片側4輪です。

下の写真は、どちらも片側の主脚を1本だけ、近くから撮ったものです。

タイヤで数えられるのは、A350-900が相手のときだけです。胴体の長いA350-1000は、最大離陸重量(離陸できる重さの上限)が増えたぶん主脚も6輪になり、777とタイヤの数が同じになります。A350-1000なら、機首の黒い窓まわりを見てください。
窓まわりの色
機首でも区別はつきます。A350-900は、787のところで書いたとおり操縦室の窓のまわりが黒い機体です。777は、下の写真の左のとおり白いままです。

中型機
JALの分け方では、767と787が中型機です。ANAの説明では、767は通路が2本あっても胴体が細く、横に並ぶ席が少ないので「セミワイドボディ」と呼ばれます。
ボーイング767と787
JALとANAは、どちらも767と787を持っています(2026年3月31日現在の各社の機材数)。同じボーイングのエンジン2基の機体で、遠目には形が似ています。正面か斜め前から見えるなら操縦室の窓、横からなら翼の先を見ます。
操縦室の窓の数
787の操縦室の窓は、左右2枚ずつの4枚です。767は左右3枚ずつの6枚。正面の窓の横に、スライドして開く窓と、その後ろの開かない窓が続きます。
787とA350のところで載せたJALの787の写真でも、窓は正面に4枚並んでいるだけです。

翼の先
767-300ERには、翼の先にウイングレットを後から付けた機体があります。高さは約3.4メートルあり、上に大きく立ち上がります。ANAは2008年、国内の航空会社として初めて767-300ERに付けると発表しました。
JALでは、2013年に公開された国際線用の改修機JA617Jに付けられていました。貨物機に改修され、2025年に就航したJA621Jにも付いています。
787には、上に立ち上がるウイングレットがありません。翼の先が高く立っていれば767です。
ウイングレットのない767と787なら、翼の先の形を見ます。787の翼の先は、ボーイングがレイクド・ウイングチップと呼ぶ、後ろへ大きく傾けた形です。767では、767-400ERで新しく採り入れた形で、JALとANAの機材数の表に767-400ERはありません。

エンジンの後ろの縁
787のエンジンの後ろの縁には、787とA350のところで書いたシェブロンがあります。下の写真は、JALの767-300ERと787のエンジンです。787は後ろの縁がギザギザで、767はまっすぐです。

客室の窓
JALは、787の客室の窓を従来の中型機より約1.3倍に広げたと説明しています。
小型機
通路が1本の、胴体の細い機体です。JALでは737が小型機で、A320も航空の報道で「小型機A320」と書かれています。ボーイングは737 MAXを、エアバスはA320ファミリーを、通路が1本の機体(単通路機)として紹介しています。
737-800と737 MAX
ボーイングは、737 MAXで燃料を減らすための主な改良として、新しいエンジン(CFMインターナショナル製のLEAP-1B)、胴体の最後尾(テールコーン)の形の見直し、新しいウイングレットを挙げています。このうち外から見てわかりやすいのは、翼の先とエンジンです。
翼端の形
737 MAXの翼の先は、上に伸びる部分と下に伸びる部分に分かれています。横や下から見ると、先が2本に割れたような形です。
737の翼端には名前の違う型があり、付いている機種も違います。名前は、ボーイングと、ウイングレットを作るアビエーション・パートナーズ・ボーイング(ボーイングとアビエーション・パートナーズの合弁会社)の呼び方です。
| 翼端の名前 | 付いている機種 | 形 |
|---|---|---|
| ブレンデッド・ウイングレット | 737-700/-800/-900/-900ER。737-300/-500にも、後から付けた機体がある | 翼の先から滑らかに上へ曲がり、1枚だけ伸びる |
| スプリット・シミター・ウイングレット | 737-700/-800/-900/-900ER(ブレンデッド・ウイングレットを付けた機体を、後から改修したもの) | 上の先端を「シミター」と呼ぶ形に替え、下向きの部品を足す。翼の先が上下に分かれる |
| アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット | 737 MAX | 737 MAXのために新しく設計された翼端。上と下に分かれる |

下の写真は、左からJALの737-800(羽田空港)、ユナイテッド航空の737-800、大韓航空の737-8(HL8350)の翼の先です。737-8は、737 MAXの型式のひとつです。

ややこしいのは、真ん中のようにスプリット・シミター・ウイングレットに改修した737-800です。翼の先が、737 MAXと同じように上下に分かれて見えることがあります。翼の先だけで決めず、エンジンもあわせて見てください。
エンジンの後ろの縁
ボーイングは、787のシェブロンを737 MAXのエンジンの覆いにも取り入れました。下の写真は、ANAの737-800と大韓航空の737-8のエンジンです。737-8は後ろの縁がギザギザで、ANAの737-800はまっすぐです。2機の向きが逆なので、後ろの縁は737-800では左端、737-8では右端です。

737とA320
通路が1本の小型機どうしで、大きさも近い組み合わせです。見分けるなら、機首の形と翼の先を見ます。
機首の形
横から見ると、顔つきが違います。A320の機首は丸みがあり、先までふっくらしています。737は先に向かって細くなり、とがった、きつねのような顔です。

翼の先
A320neoと、ひとつ前の世代のA320ceoのうちシャークレットを付けた機体には、シャークレットという上向きの翼端が付いています。エアバスの数字では、高さ2.4メートル。

シャークレットのないA320ceoの翼の先にあるのは、翼端フェンスです。翼の端の上と下に、矢じりのような形の小さな板が出ています。PeachのA320ceo(JA826P)では、この板がピンクに塗られています。

737 MAXの翼の先は、上と下に分かれています。翼端フェンスも上と下に出ますが、小さな板が付いているだけで、737 MAXのように翼の先そのものが上下に伸びる形ではありません。
迷うのは、シャークレット付きのA320と、上にだけ伸びるウイングレットの737-800です。翼の先がどちらも上向きなので、そのときは機首の形を見てください。機首でもわからないときの調べ方は、最後の節に書きました。
床下の貨物室
外からは見えない違いも、おまけでひとつ書いておきます。床下の貨物室で、コンテナを使えるかどうかです。
A320ファミリーは、AKH(LD3-45WF)と呼ばれる高さ114センチの低いコンテナを、床下に積める作りにできます。ANA Cargoの案内では、A320に積めるのは前の貨物室に3台、後ろに4台です。ただし、コンテナを動かす装置は選べる装備で、エアバスによると付けているのは全体の約2割。付けていない機体は、荷物を1つずつ積むばら積み(バルク)です。
737の床下は、ばら積みです。ボーイングが空港向けに出している資料は、737の床下の容量をばら積みの値だけで載せています。JALの737-800の資料にも「Bulk Only」とあります。
A320ceoとA320neo
エアバスの数字では、A320neoはA320ceoに比べて、座席あたりの燃料消費が少なくとも20%減っています。理由に挙がっているのは、シャークレットや新しいエンジンなどです。エンジンは、CFMインターナショナル製とプラット・アンド・ホイットニー製から選べます。
ただ、シャークレットがあるからneo、とは決められません。シャークレットは2012年にA320ファミリーの選べる装備として登場し、今はneoの全機に標準で付いています。一方でceoにも、新しく造るときに選んだ機体や、後から付けた機体があります。見た目で決めきれなければ、便名や機体記号で確かめてください。
下のPeachのA320ceoは、737とA320のところで載せたANAのA320neo(JA217A)と見比べるための参考として載せています。

リージョナルジェット
地方の空港どうしや、地方と大きな空港を結ぶ路線で使われる、小さめのジェット機です。日本では、JALグループのジェイエアがエンブラエル170と190を、フジドリームエアラインズが170と175を、アイベックスエアラインズがCRJ700を飛ばしています。
エンブラエル170・175と190
どれもブラジルのエンブラエルの機体で、胴体の太さは同じ3.01メートルです。違うのは長さ。LOTポーランド航空の資料では、170が29.90メートル、175が31.68メートル、190が36.24メートルあります。
胴体の長さ
190は170より6メートルほど長く、主翼の幅(26メートルと28.72メートル)も、尾翼のてっぺんまでの高さ(9.67メートルと10.57メートル)も一回り大きくなっています。横から見ると、前のドアから主翼までの窓の列が、190のほうが長く続いています。
下の2枚は、どちらも機体が横いっぱいに入るように切り出したので、写真どうしで大きさは比べられません。窓の列の長さと、胴体の細長さを見てください。

170と175は、長さの差が2メートルもありません。見た目で分けるのは難しいので、機体記号で確かめてください。
CRJ700とエンブラエル170
アイベックスエアラインズのCRJ700は70席、エンブラエル170はジェイエアで76席(2017年の報道時点)と、座席の数が近いリージョナルジェットどうしです。それでも、エンジンの位置でひと目で見分けられます。
エンジンの位置
アイベックスエアラインズの説明のとおり、CRJ700はエンジンを胴体の後ろに付けています。エンブラエル170は、ほかの多くの旅客機と同じく主翼の下です。下の写真では、CRJ700の水平尾翼が垂直尾翼のてっぺんに付いているのも見えます。

プロペラ機
プロペラを回して飛ぶ機体です。日本では、JALグループのATR42-600・ATR72-600・DHC-8-400、ANAグループのDHC8-400(Q400)などが飛んでいます(2026年3月31日現在の各社の機材数)。
ATR42-600とATR72-600
どちらもATRの機体で、見た目はよく似ています。違うのは長さで、ATRの数字ではATR42-600が22.67メートル、ATR72-600が27.17メートルです。座席の数も、ATRが示す座席の例では、ATR42-600が30〜48席、ATR72-600が72〜78席と、ひと回り違います。
胴体の長さ
JALグループのATR72-600は2機だけで、ATR42-600は13機あります(2026年3月31日現在)。横から見ると、ATR72-600のほうが窓の列が長く、胴体が細長く見えます。

Q400とATR72-600
どちらも主翼が胴体の上に付いたプロペラ機で、似た大きさに見えます。長さは、Q400が32.83メートル(LOTポーランド航空の資料)で、ATR72-600より5メートルほど長くなります。
主脚の位置
見分けやすいのは主脚です。下の写真では、Q400の主脚はエンジンの下から伸びていて、ATR72-600の主脚は胴体の下の張り出しに収まっています。

見た目で決めきれないとき
遠くて細かいところが見えないときや、どちらとも言えないときは、便名から調べます。フライト追跡アプリのFlightradar24なら、便名か機体記号(JA01XJのような、1機ごとの登録番号)で、その便を飛んでいる機種が出てきます。
使い方はFlightradar24の使い方に書きました。特別塗装機の一覧(日本版・世界版)にも機種名を載せているので、見分けの練習に使えます。